映画「マリアンヌ」、「太陽の下で-北朝鮮の真実」、「エリザのために」ほか

ここしばらく映画の話をしてなかったので、まとめてご報告(誰に?)
本日は新宿TOHOシネマ」で「マリアンヌ」鑑賞。YAHOOレビューでも皆さんが言っているように、主演の二人の美しさ、若々しさに感動です。ブラット・ビットは今年54歳、マリオン・コティヤールは42歳になるということですが、どちらも30代にしか見えない若さと美しさ。役者さんはすごい。特にマリオン・コティヤールの美しさには見とれてしまいました。
その若く美しい二人の恋愛を絡めた戦争サスペンスには緊張感があり、見ごたえがありました。本年では、「アイ.イン・ザ・スカイ」に次ぐ感動作でした。
先週観たのが「太陽の下で-北朝鮮の真実」。この作品は、ロシアのドキュメンタリー監督が北朝鮮当局の許可を取り、少女の家庭を中心に、北朝鮮社会や家庭生活をドキュメンタリーに収めるという意図で作られましたが、全ては当局の指示のもとに作為的に撮影されるという場面が随所に出てきます。ロシアの監督が、その指示が頻繁に出ている場面もこっそり映して、そのまま国外に持ち出して編集したもので、北朝鮮では上映禁止の作品。金王朝三大の絶対王朝に逆らえない庶民の生活が映し出されますが、舞台は全てピョンヤンなので、悲惨さはうつされません。
最後の少女の涙が印象的でした。
同じく先週観た作品「東京ウインドオーケストラ」は、屋久島の町が東京の一流オーケストラを呼び、コンサートを開く物語。ところが手違いで素人のサークルのようなオーケストラを名乗る人たちを読んだばっかりに起こる騒動をコミカルに描いた小品。名の通った役者さんはほとんど出ていない低予算映画ですが、お金はかけなくても、面白い作品を作れるという典型的な作品で、そこそこ楽しめました。主人公のやる気のない女子職員のこれからの島での生活が変わるのか、今の地方の一断面を映し出してもいました。
一昨日の金曜日は新宿のシネマカリテで、ルーマニア映画「エリザのために」鑑賞。ルーマニアは、1991年にチャウシェスク独裁政権が倒れ民主化され、EUにも加盟を果たしましたが、西欧諸国と比べるとまだ民主化が進んでいない印象。コネがまかり通る社会慣習はまだそのまま残されているのか。この映画は、ルーマニアでは裕福と思われる医者が主人公。主人公は、ルーマニアの変らぬ社会に失望し、せめて娘だけでもロンドンに留学させ、そのまま西欧で生活してもらいたいと思っています。そのため、娘の教育に熱心で、留学の条件をクリアする実力をつけさせたのでしたが、試験前日に娘が暴漢に襲われたことから、自分が軽蔑するコネを使い、何とか娘を合格させようとあの手この手を使う姿が映し出されます。妻との結婚生活は既に壊れ、希望は娘だけという男の悲哀が印象的。たまにはこうしたマイナーな国の映画を観て、その国情を知りたいのですが、なかなか興業的に採算が取れないのか、ほとんど日本で上映されないのが残念です。
最後に昨日新宿TOHOシネマで観たのが、懐かしい名作「奇跡の人」。目と耳と口が不自由なヘレン・ケラーを教育したアニー・サリバン先生の奮闘と、それに答えたヘレンケラーとの壮絶なドラマです。この作品でオスカーを獲ったアン・バンクロフトの演技も見事ですが、ヘレン・ケラー役のパティー・デュークの演技も見事。彼女もこの演技で助演女優賞を取ったはずです。指でアルファベットを表し、そのアルファベットで赤ちゃんの時から目も耳も不自由な人にものの意味を理解させることの、途方もない苦労が映画で映し出されるのですが、それは格闘技のような壮絶な戦い。しかし、最後の場面で井戸の水からウォーターを理解した時に全ての学習の成果が表れる時の感動は、いつ見ても素晴らしい場面です。
名作はいつまでも色あせないことを象徴する名画でいた。
今日はこの辺で。