藤沢周平「竹光始末」

藤沢周平「竹光始末」読了。表題作ほか全6篇の短編。
秀逸はやはり表題作。藩がつぶれ、妻と子の4人で仕官を求めて放浪する武士小黒。小黒に推薦状は書いた武士。推薦状のあて先である、ある藩の物頭の柘植。仕官したものの、周りに逆らう武士。その逆らう武士を始末することを条件に小黒の仕官を約束する柘植。小黒は刀をも売り払い食をつないでいたため、竹光と小太刀のみ。その弱みに付け込み小黒に襲い掛かる逆らう武士。小黒の妻子の惨めな生活も想像させるなか、浪人生活の悲惨さと、その中にも武士の心意気を見事に描いている。
今日はこの辺で。