先週に引き続き熊谷達也作品。「新参教師」は熊谷の故郷仙台を舞台にした学校の先生のお話。
今東京の杉並でも、民間(リクルート)から転職した和田中学の校長先生が話題になっていますが、その仙台版。損害保険会社の経営が怪しくなったのを契機に、公立中学教師の求職に応募したちょっと軽い感じの主人公が、もろもろの事件にあいながら、最終的に教師の本来のあるべき姿に気づくというストーリー。熊谷の真骨頂はやはり「邂逅の森」に代表される昭和初期の東北の山奥の風俗を描いた小説だと思うのですが、この作品は現代もの。いまいちインパクトがありません。教師の物語ということで、生徒との関係がもっと描かれるのかと期待しましたが、それは全くなし。ちょっと期待はずれでした。
今日はこの辺で。