白石一文「もしも私があなただったら」読了

白石一文の小説を連続して読了。今回の作品「もしも私があなただったら」も読みやすく、楽しめました。主人公の啓吾は50才になろうかという脱サラの男。年齢が私に近いせいか、親近感がありましたが、私と違うのが女に持てそうなタイプと言うこと。これはさておき、かつての会社の同僚の妻、美奈とのかけひきが本筋となって進行しますが、啓吾がうらやましくなったのは、美奈がいかにも魅力的な女性に描かれていること。43歳の中年でありながら活動的で、気が強く、おまけにセックスに関しても積極的であるところ。啓吾と美奈とのかなり濃厚なセックス描写もありますが、43歳にしてたわわな胸を持つ魅力的な女性とのセックスは羨ましい限り。私には絶対にありえないシチュエーションですが、小説で疑似体験できました。
白石の作品は読みやすいのですが、その理由は、固有名詞がほとんど実在するもので、ドキュメンタリー風に描写が細かいところにあるのかもしれません。例えば啓吾が店に出す付け出しの料理を作る場面。料理本かと思われるほど詳細に描写されています。勿論セックスの場面もかなり詳細な手順を描写しています。先週読んだ「私の運命について」と同じような表現もあり、作家にはやはり癖があることを確認も出来ました。
今日はこの辺で。