映画「孤老の血」

5月20日(日)は、午前中新宿バルトナインにて日本映画「孤老の血」鑑賞。
原作は私の好きな柚木裕子で、半年ほど前に読んでいましたが、これまでの柚木作品にはない、広島を舞台にした暴力描写満載の小説でした。柚木さんは、実は「仁義なき戦い」などのやくざ映画ファンで、ついに小説を書いてしまいました。
舞台は広島県の呉原という街ですが、呉市を思い浮かべればよいでしょう。
最初の暴力場面には圧倒されます。豚小屋で闇金社員を暴力団が殺害する場面。豚の糞を口に押し込む場面は圧巻というか、気持ち悪いというか、あまりにもグロテスク。この冒頭場面で慣らされるので、その後の場面はそれほどたいしたものには感じませんが、とにかく前編暴力全開。
主役は刑事役の役所広治、役所の下につく松坂桃李。この二人以外は早くも同然の感があるほど。竹之内豊や江口洋介も主役を張る役者ですが、この映画ではそれほど目立たない役どころ。
暴力団の均衡を守って、最終的には一般人の被害をなくそうとする刑事ではあるが、平気で暴力団からわいろの金を受け取る悪徳刑事役を役所が好演。レビューでも絶賛の評価ですが、どんな役をやっても、今の日本の役者の中では断トツの演技力、存在感ではないでしょうか。
松坂桃李も、役者の下について、次第に役所のやり方に共鳴していく姿が役者としての成長をうかがわせる好演。
暴力場面やグロテスクな場面を気にしない方にはお勧め作品でした。
午後は早稲田大学にて「2020年度教育改革」と題して、朝日新聞編集委員の氏岡真弓氏の講演参加。
現在朝日新聞で教育関係記事の編集委員をされている方で、2020年度に変わる教育指導要領や大学入試改革について、詳しく話されました。ベテランの記者で、話し方も極めて整然としており、聞いていた心地よい講演。朝日新聞の方だけあって、政治家の授業干渉、それを隠す文科省の現状を非難していました。
今日はこの辺で。