診断書の効力

奈良市職員の不正休暇に件の続き。5年9ヶ月の間に8日間しか出勤していなかった奈良市職員は、この間34通の診断書を提出して休暇をとっていたとのことである。最も責められるべきは本人であるが、それを黙認していた上司や市の幹部もそれ相当等の責任があることは述べさせていただきましたが、もう一人いました。34通もの診断書を書いていた医師の無責任さです。とかく医師は診察に受けに来た患者には、非常に簡単に診断書を書きます。本人が痛いと言えばその通りに病名を考えて、診断書にサインして料金を取っています。これでひどい目にあった経験があるので書き留めたいと思います。
私の知っているある会社の従業員の不注意で電気を止めたため、エレベーターが停止し、20分弱の間閉じ込めたことがありました。被害者に外傷は全くないのですが、暗いところが怖くなったとか、エレベーターには乗れなくなったとかの障害を訴えだし、もってきたのがPTSDの診断書です。被害者はこの結果仕事もやめてしまったとのことで、損害賠償で長期間の時間と労力がかかったのです。その根拠となっていたのがPTSDの診断書です。会社の人間が何度かあった限りでは、ほとんど障害がないような振る舞いなのですが、毎月1回の診断書は依然としてPTSDのままです。医師に会って病状を聞こうとしても本人の許可がない限り決して教えてくれません。これは当然としても、本人がまだ良くなっていないと主張すれば永遠に診断書にはPTSDと記されるだけでしょう。精神障害は確かに診断が難しいのは分かりますが、患者の申告通りに診断書を書くなら誰だってできます。
医師の責任ある診断がほしいものです。奈良市のケースでも、34通もの診断書を、病名をとっかえひっかえ書いていた医師の無責任さにはあきれるばかりです。
今日はこの辺で。