県知事という王様

福島県佐藤栄佐久知事がついに逮捕されました。ついに、というより「やっと」と言うほうが適切かもしれません。18年間という長きに渉って県知事を務めること自体不自然と思うのですが、こればっかりは、選挙で彼を当選させてきたので、誰も文句を言えないと言えばそれまでですが、それにしても周りに多選を戒めるか、あるいは後継者がいなかったのかと、つくづく考えられさせます。性善説にたてば、清廉潔白な人はいつまでも清廉潔白で、不正などするはずがないというでしょうが、過去の例を見ればそれが真実とは思いません。最近の例であれば岐阜県の梶原前知事、ちょっと古くなりますが埼玉県の土屋前知事など、全国的にも有名でかつ力があった知事の不祥事が何件か起こっています。どんなに清廉な人でも、同じ権力を長年にわたって持ち続ければ、そこには利権が絡み、知らず知らずに、あるいは意図的にわが身を浸していってしまうのは世の常なのでしょう。
知事もせいぜい3期までを任期とすべきでしょう。宮城県の浅野知事などは、そんな状況を知っているから自ら2期(3期かも?)で辞めています。
それにしても、佐藤前知事は東大法学部を卒業してすぐに、父親が興した縫製会社に就職したそうです。そこから青年会議所の幹部となり、政治の世界に踏み込んでいったとのこと。弟はそんな兄の盛り立てるため会社を実質的に切り盛りし、選挙資金を作ってきたようですが、いつしか兄の威を借りて公共工事を仕切るまでになってしまいました。兄は知ってはいても何も口を出すことなく、政治資金を集めるために黙認してきたと言う構図でしょうか。
そこには兄を尊敬し、どこまでもその兄を盛り立てる弟の姿、すなわち兄弟愛が見えないこともないのですが。
今日はこの辺で。