耐震偽装事件関係者逮捕の不可解さ

世間を騒がせ、マンション購入者やホテル経営者に多大の損害を与えた耐震偽装事件の関係者が、今日漸く逮捕されました。しかし、容疑は建築士法の名義貸し違反、証券取引法の粉飾、そして商法?の資本金水増し偽装と、耐震偽装とは直接関係のない容疑での逮捕となり、何かしっくり行かない印象を持ったのは私だけではないでしょう。別件で逮捕して拘留し、これからじっくり取り調べに進むことはわかるのですが、4ヶ月も前に家宅捜索し、相当数の書類を押収して調べたはずですが、耐震偽装に直接結びつく証拠が見つからなかったことも懸念される今回の逮捕劇です。また警察特有の自白劇が塀の中で繰り広げられるのか?とにかく本件で立件し、法律的な制裁を加えてほしいものです。
しかし、今回逮捕された姉歯氏はもとより、木村建設、検査機関イーホームズ、そして今回の逮捕者には入っていない分譲会社ヒューザーや総合研究所など、関係した企業・個人は、厳しい社会的制裁を受けました。企業は全て倒産か破産、廃業し、個人的にも既に信頼を全て失ったと言ってもよいでしょう。コンプライアンス法令遵守と一言で言ってしまえば簡単ですが、法令に違反し、社会に迷惑をかけたことが分かった瞬間に、それまで築き上げた信頼が一気に失われてしまうことを、我々企業人は肝に銘じなければなりません。
私に勤める会社を含めて、企業活動には思わぬ危険、落とし穴が待っています。この落とし穴を察知し、予防できるだけの判断力、直観力を磨いていくのが私の最大の使命と心得る次第であります。
今日はこの辺で。