耐震偽装事件は何だったのか

ついこの間まで大きな話題を集めた耐震偽装事件ですが、検察の捜査が終了し、結局姉歯建築士の単独犯行という結論になったようです。この事件にはたくさんのきな臭い関係者が登場しましたが、彼らは、いわゆる別件逮捕され、刑事罰を受けることとなりますが、その前にマスコミに血祭りにあげられ、社会的信用を失い、関係企業は倒産はみな倒産か廃業しました。最初から姉歯建築士の単独犯行ということが分かっていれば、これだけの社会的制裁は下らなかったかもしれません。結局、マンションを買った住民、ホテルを建てたオーナーが莫大な損害を蒙り、関係した企業の倒産により職を失った人たちが不幸な人生を歩むことになったのです。
マンションのデベロッパー、建築を請け負ったゼネコン、建築確認を出した民間審査機関、ホテル建設の経営指導したコンサルタント、彼らは今何を思っているのでしょうか?姉歯憎しは当然ですが、血祭りにあげたマスコミに対しても憤懣やる方がないでしょう。
2つだけ制裁を受けていないところがあります。さあ、どこでしょうか?そう、役所とマスコミです。役所が行った建築確認審査でも偽装は見抜けませんでしたが、役所は知らぬぞんぜぬを決め込みました。責任問題もうやむやです。そしてマスコミはあれだけ大々的に関係者を血祭りに上げておきながら、姉歯の単独犯との結論をきわめて小さく報じました。
それにしても、マンションを購入した住人の苦闘は続きます。いっそこんな事件が公にならずにそのまま住み続けていた方がよっぽど幸せだったでしょう。
社会には知らないほうがいいことが山ほどあると言うことを垣間見せてくれた事件でした。
今日はこの辺で。