サラ金コマーシャル

最近のサラ金大手のコマーシャルについては、多くの人が憂慮しているのではないでしょうか。暗いのではなく、きわめて明るく、軽いノリのコマーシャルが横行しています。「どうする!アイフル」なんていうキャッチフレーズがすっかり定着した感があります。そして、そのコマーシャルの画面の最後のほうで「実質利息15%~28%」といった数字が表示されます。実はこれが曲者なのです。借金と縁のない人はあまり関心もなく、知る必要もないでしょうが、日本の法律は利息についてダブルスタンダードを容認しており、これが昨今のクレ・サラ問題の元凶ともなっているのです。
お金を借りる場合、日本では「利息制限法」があり、20%を越える利息の設定は禁じられています。ところが、サラ金の明るいノリのコマーシャルには堂々と28%といった利息が表示されます。これは、利息制限法には罰則がなく、「出資法」という別の法律で規定されている29.2%の上限金利を超えて貸した場合は罰則がある、からなのです。したがって、罰則がない限りサラ金は何の怖いものもないため、堂々と利息制限法「違反」の利息を設定しているのです。いわゆるグレーゾーンが存在するのです。世の中、コンプライアンス遵守は企業の生命線にもなっているのに、グレーとはいえ、堂々と法律違反しているサラ金にはコンプライアンスなど関係ないかのようです。本当にこれでよいのでしょうか?
サラ金業者にとっては、このグレーゾーン金利が経営の生命線だとして、譲れない姿勢を見せていますが、最高裁判断も最近あったように、ダブルスタンダードは絶対に是正されなければなりません。
私は特に国会の責任を声高に訴えたい。立法の府である国会は何故グレーゾーンを許しているのでしょうか?野党からもあまり改正の要求が出てこないのも不思議です。(もしかしたら出ているかも)
裁判所の判断の後追いで法律改正するのではなく、もっと前向きに取り組んでほしいものです。
私も亡くなったある親族の多重債務整理をしたことがあります、苦労した経験があります。ただ、ほとんどのサラ金は本人が死亡したことを告げるとあっさり債権を放棄しましたが、いずれも20%以上の利息の設定でした。
格差社会で、サラ金利用者が増える時代です。早くグレーゾーン是正の立法処置を強く望むところであります。
今日はこの辺で。