「穢れ舌」に続く原宏一氏の短編集作品「ねじれびと」読了。5作品か収納され、なかなか面白い作品群。
- 平凡組合:平凡組合と称する団体の集会に出席した主人公。ひたすら平凡こそ第一という話をするのが目的で集まる人たち。主人公のシゲキさんは平凡なサラリーマンだが、その集まりに次第に惹かれて行き、ついには全国規模の発表会に出ることに。シゲキさんが選んだテーマが「吉野家牛丼の最も平凡な男子の食べ方」というおかしなテーマ。しかしながら、そのプレゼンが大いに受け最優秀賞を受賞。シゲキさんは会社を辞め、平凡組合の中央組織に再就職。そこで知った組合の真の姿に愕然とするのだった。
- 逃げろ真紀:真紀さんと夫の大輔は妊活中。そんな大輔が、真紀さんがストーキングされていると言い出し、ストーカーという新聞配達員を見張りだす。真紀さんは大輔のしつこさが怖くなって逃げ出し、新聞配達員の家に転がり込むことに。でもその彼も真紀の親友の女性といい仲だった。
- 和彦さんはバツイチの40男。ある日美人のボブヘアのテツコさんと知り合い、テツコさんが戸籍もない鉄道改札内で育ったことを打ち明けられる。二人はテツコさんが生まれた岐阜駅に各停で旅行に出かけ、行く先々でテツコさんが鉄道駅の人と仲がいいことを思い知る。そんなテツコさんを改札の外へ連れ出そうとする和彦。結局それは叶わなかったが、無気力だった今までの生活を改めるべく、新しい仕事を見つけるのだった。
- エクスキューザー:若くして調達係のエース級になった文香は、言い訳上手。そこに目を付けた社長直々の命令でエク室室長となり、古い体質の社員の思考改革に乗り出す。社員から寄せられる失敗や苦情の始末をして実績を作り、社内改革をするはずだったが、突然発生した食品の賞味期限偽装事件に遭遇し、処理を一手に依頼される。会社幹部は偽装はしていないことを言い訳せよと言うが、実は事実であり、文香は正義のために会社を裏切ることに。
- ロング・ロング・シャワー:桑原さんは商社マンだが、まだ独り者。同僚に誘われて合コンに参加したが、その帰り際に実乃里さんという女性に声をかけられ、飲みなおししようと、下心をもって誘い、ラブホへ。だが、彼女が上司の娘だと知り、躊躇。シャワーを長く浴びて考えるも、逃げる手段が見つからない。困っている桑原さんに、実乃里さんは、実は初めての経験であること、桑原の上司の娘であることを打ち明け、父親がいつも桑原の話をしていることを告げられ、改めて付き合おうと決意する。
いずれも面白い作品で、原氏らしい物語展開でした。
今日はこの辺で。