映画「ラビング 愛という名前のふたり」「ムーンライト」

アメリカ映画二題「ラビング 愛という名前のふたり」と「ムーンライト」を19日の土曜日、飯田橋ギンレイホールにて鑑賞。
いずれの映画もアメリカの黒人を扱った映画で、特に「ムーンライト」はアケデミー作品賞に輝いた作品ということで、ギンレイホールは満員状態でした。
「ラビング 愛という名前のふたり」は実話に基づく作品。1950年代のアメリバージニア州。黒人の女性と白人の男性が結婚するものの、州法で逮捕され、苦難の末、連邦最高裁で州法に違憲判決が下るまでの約10年間を描く。
アメリカは合衆国=連邦国家で、いまだに週に強い権限がある国家。とっくの昔に奴隷制が廃止になりながらも、バージニア州では異人種間の婚姻が違法とされていたという真実に驚くとともに、州の権限の大きさにも驚く。二人はワシントンDCで結婚して証明をもらうものの、バージニア州では二人が住むことは違法ということで逮捕されてしまう。白人の夫はすぐに釈放されるものの、妻の黒人はすぐには釈放されないという差別主義も顕著。二人はやむなく別州に住むことになるが、故郷に戻りたいという気持ちが大きく、ひそかにバージニアに戻ることに。一度は再逮捕されたものの再び戻り、裁判をすることになり、最後は州が違憲判決を受けるまでを描く。1960年代は、キング牧師を筆頭に黒人の公民権運動が激しかったのですが、こうした時代遅れの差別的な州法が生きていたことにも驚きました。映画自体は、大きなテーマを扱ってはいるものの、淡々と描いており、もう少し感動的な盛り上がりがあってもよかったかなあと感じた次第。
「ムーンライト」はアカデミー賞授賞式で、間違って取り損なったかもしれない話題の映画。実際には撮りましたが。
一人の黒人男性の子供時代、少年時代、成人になってからの3つの年代ごとにオムにバズ形式に描いた作品。この作品がアカデミー賞に値するかは難しいところですが、少なくとも白人至上主義を訴えて当選したトランプ大統領への批判が大きかったのは事実ではないかと感じます。私としては、この作品の良さがまったくわかりませんでした。一つ言えることは、母親の愛情もなく育った男性が悲惨な少年時代を送り、結局は違法な密売人となってしまったという暗い話。この青年が、悲惨な生活を送りながらも、立派に成功してアメリカンドリームをつかむという話のほうが、やはり見ていて楽しいし、面白いのですが、それではアカデミー賞は取れないのでしょう。「ラ・ラ・ランド」が取れなかったように。
今日はこの辺で。