唯川恵「愛に似たもの」

ここのところ集中して読んでいる唯川恵作品。今回は短編集「愛に似たもの」読了。
表題の作品があるわけではなく、愛に似たようなもので、実は愛ではないものしか経験にない女性を主人公にした作品が8篇。
どちらかというと、家庭の愛にも恵まれず、一人で生きていく女性が多いのですが、やはり男性の肌のぬくもりを常に求めてもいる彼女たち。ただし、この作品の男性は彼女から離れていくのがほとんど。その原因はどこにあるのか?男がだらしなく、単に男運が悪いだけなのか、男を見極めることができないからなのか、それとも、男をつなぎとめていくことができない女だからなのか。こうしたいくつかのパターンを8篇の短編で語ってくれるのですが、世の中そんなに悪い男ばかりじゃない、と男としては言いたくなる読後感。結局は多くを求めすぎて、男は離れていってしまうのではないかと思った次第。
今日はこの辺で。