映画「あの日の声を探して」と憲法記念日講演会

午前中、武蔵野館にて映画「あの日の声を探して」を鑑賞し、午後は立教大学にて、全国憲法研究会主催の講演会に出席する。共通点は戦争と平和
映画「あの日の声を探して」は、1999年のロシア軍のチェチェン侵攻による悲劇を強烈な描写で描き、戦争のもたらす悲惨さをドキュメンタリータッチで描いています。冒頭のビデオ映像がドラマの発端となっており、いかにもこの映像が真実であるかのような錯覚?を感じさせる強烈な印象。本編に入り、冒頭の画面を見た9歳の少年があまりにもむごい場面を見たことから声を失い、幼い弟を抱えてロシア軍から逃れていく。少年は流浪の果てに、EU職員の女性に出会い次第に心を許していき、最後は姉とも再会を果たして映画は終わる。この少年の話とは別に、19歳に少年が街で大麻のようなものを吸っていたことをとがめられ軍隊に入らされ、軍隊の中で暴力に会い、自分も暴力を肯定するようになり、前線に行ってからは、次第に軍人として人を殺すことにも躊躇しない人間になっていく姿が並行して描かれます。むしろこちらの方が見るものを恐怖させる。
9歳の少年を助けたEU職員の女性は、チェチェン紛争の悲惨さをEU人権委員会で訴えるが、その訴えは委員たちになんら届かず、自分のやっていることの無力さを味会う場面も描きます。
とにかく、全編を貫くのは、戦争の悲惨さ、最も被害を受けるのが若者であり、女性であり、罪のない家族だということ。そして、戦争は人間の人権に関する価値観を変えてしまうということです。
この映画を見てから立教大学に向かい、保坂正康氏の「語り継ぐべき憲法の歴史的精神とは何か」の講演を聴く。保坂氏は明治維新以降の日本の対外的戦争、特に太平洋戦争に至る過程、並びに4年間にも及んで戦争を続けた体質、政治が全く機能せず、軍事国家であったことの反省から、現在の憲法があることを語り、「非軍事憲法」という言葉を使っていました。この日軍事憲法を100年間日本は守り、それを超えたら「平和憲法」に移行すべきとする。保坂氏は太平洋戦争の歴史を徹底的に研究し、現在の安倍政権は全く歴史を無視しているという立場。全く同感である。
所謂、戦争することを決めた高級将校、参謀、官僚たちの息子たちはほとんど戦死していない事実、なぜなら、彼らは自分たちの息子を戦争にとられない手段を知っていたこと、更には戦後の軍人恩給が戦争当時の彼らの報酬によって決まったこと、すなわち、最も責任を負うべき高級軍官僚が、戦後も優遇された事実など、あまり知られていない事実を語ってくれました。
集団的自衛権閣議で勝手に決め、アメリカに行って勝手に自衛隊の活動範囲を広げることを公言するなど、今の安倍首相は独裁者となりつつあります。ヒットラーが合法的に独裁政権を築いたように、安倍もヒットラーを踏襲する考えなのか?危険極まりない総理大臣を生んでしまったものであります。
今日はこの辺で。