望月衣塑子・古賀茂明共著「国難を呼ぶ男 安倍晋三 THE独裁者」

政権批判を繰り広げる東京新聞望月記者と元通産官僚の古賀茂明氏との対談書名はズバリ「「国難を呼ぶ男 安倍晋三 THE独裁者」を読了。

2017年12月時点での両氏の主義主張を安倍政権の危険性を中心に対談したもの。

安倍晋三の求める日本の姿は、戦前の軍事強国の復活であると見抜く古賀氏。戦前と違うのは、アメリカの頼りになる同盟国、すなわちアメリカが戦争したら、そのアメリカと一緒に戦い、軍事面でもアメリカに認められる相棒になりたいという国造りだと言っています。

安保法制での集団的自衛権容認、アメリカ製武器の大量購入、そして戦争ができるための憲法改正など、安倍政権のやっている政策はまさに古賀氏の言うとおり。

古賀氏は、日本が戦争に巻き込まれる可能性を増す要因は、アメリカとの軍事同盟を深化することであり、決して中国・北朝鮮を仮想敵国とすべきではないと言っていますが、私もそれには同感。戦後世界で最も戦争してきたのはアメリカであり、中国・北朝鮮がひたすら戦争してきたという事実はありません。アメリカが脅威をあおるから中国・北朝鮮もそれに歩調を合わせざるを得ないという事情があると思われます。

一方内政ではモリカケ問題を代表として、官邸に人事を握られた官僚の忖度が蔓延し、見苦しい国会答弁が続きます。

そして本書には勿論ありませんが、新型コロナウィルスの混乱に際しては政策が後手後手に回り、国民の不安は最高潮に達しています。かつての民主党政権の危機管理をぼろくそに言っていた自民党の今回の体たらくは、安倍政権の限界を示していると思うのですが。

古賀氏の主義主張を端的表す言葉だけ書いておきましょう。

「あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。そうしたことをするのは、世界を変えるためではなく、世界によって、自分が代えられないようにするためである」(ガンジー

「政治の役割は二つあります。一つは国民を飢えさせないこと。安全な食べ物を食べさせること。もう一つは、これが最も大事です。絶対に戦争をしないことです」(菅原文太

今日はこの辺で。

 

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