昨日4月25日(土)は、早稲田大学にて「苦悩する中東」と題する講演会とシンポジウムに参加。数日前の朝日新聞に開催案内が小さく載っていたので参加したのですが、10分前に行くと席はほぼ満杯。やっと前の方に席を見つけて吸われました。3名の中東問題の専門家(いずれも女性)の講演と、その後4名が加わってシンポジウムとなり、13:00~17:00に渉る長丁場の催し。
とにかく今年に入ってからの中東に関する話題は、日本でも身近に感じる問題を含めてきわめて豊富かつ深刻であり、皆さん興味と関心があり、あれだけの聴衆が集まったのでしょう。
中東と呼ばれる地域は、まさにヨーロッパから見て東の方の真ん中辺。極東が日本や朝鮮半島ですから、そこまでいかない東のあたり。その中東が今や世界の火薬庫のような存在となり、シンポジウムの質問で専門家の方が答えていたように、これからどうなるのか全く分からないような混乱地域。
千葉大学の酒井啓子教授は、今の混乱の最大の要因が、1979年の3つの出来事、すなわちイスラエルとエジプトの和解、イラン革命、そしてソ連のアフガニスタン侵攻の間違った処理の仕方にあると言っていましたが、それにも一理あり。しかし、最大の誤りは第二次大戦後の英仏による中東国家設立経緯にあるのではないかと思うのですが。
中東=アラブ(イスラーム)という単純な構図を思い描きがちですが、ことはそんなに単純ではないようです。イランはアラブではなくペルシャ、そしてイランと仲が悪いサウジアラビア、アラブの春が中途半端に終わったエジプトなど、我こそは中東の盟主たらんとする国が仲たがいを繰り返している中東はどこへ行くのでしょうか。
中東の現状を聞いていて日本の現状を考えてみました。中東では軍隊の力は否が応でも必要です。日本は集団的自衛権がどうのこうのと議論しています。やはり世界の常識ではないのでしょうか。
反面、今まで日本はアラブ諸国には評判のいい国との認識がありました。それは平和憲法の下で、戦争を放棄した国という面が大きいでしょう。こうした全く逆の考えの中で、やはり日本にできることは平和的な対話の手助けしかないのではないでしょうか。
何が何でも戦争ができる国にしたいという今の政権が果たして中東諸国にどうみられるのか?
話題がそれますが、テレビ朝日の報道ステーションで元通産官僚の古賀茂明氏がクーデター的な発言をして、テレ朝の幹部が自民党に呼ばれたことに対して、これまた言論統制云々との批判が集まっています。これはもっともな話ですが、そのテレ朝プロデュースの「相棒 劇場版掘廚鬟謄譽咾埜ました。杉下警部が私兵が訓練をする孤島に乗り込んで事件解決するのですが、ラストで犯人と杉下が刑務所で面会する場面が出てきます。生物兵器を開発していた私兵のリーダーである犯人は平然と言います。「どこかの国が攻めて来たら対抗手段がなければ国はなくなってしまう」。これに対して杉下警部が言います。「人間は過ちを犯します。その過ちの結果国が大変なことになる。」
テレ朝だからこの映画ができたのかなあと、少し感心しました。
今日はこの辺で。