柚木裕子「検事の死命」

先日初めて読んだ柚木作品「検事の本懐」の続編、「検事の死命」読了。
短編4作は、検事、佐方貞人を主人公とした裁判もの。
「心を掬う」は郵便局で現金の入った普通郵便からその現金を掬寝た男を追い詰める話。トイレの浄化槽を明後日まで証拠を集める佐方の執念に脱帽。
「業をおろす」は、「検事の本懐」にあった一篇の完結編。佐方の父親の汚名を晴らす父親の友人である寺の住職をW主人公として描く。思わず涙がこぼれてしまう一篇。
「死命を賭ける」と「死命を決する」は、痴漢事件の真相を佐方が暴いていく熱血編。権力には決して屈せず、正義を追及する姿が描かれ、最後は痛快な感触が味わえる作品。
父親から学んだ精神をしっかりと受け継ぎ、真実を追い求める佐方貞人を、今後もしっかり読んでいきたいと思います。
今日はこの辺で。