朝井まかて「ぬけまいる」

直木賞作家、朝井まかての「ぬけまいる」読了。朝井まかては前回直木賞をとったのではじめてその時聞いた作家名。さっそく受賞作「恋歌」を読みましたが、素晴らしい作品でした。幕末水戸藩の悲惨な状況を見事に描いており、歴史の一面をふれるとともに、まさに悲恋にふさわしい内容でした。
打って変わって「ぬけまいる」は、江戸っ子娘(当時ではすでに大年増かも)3人組、猪鹿蝶の面々が、ふとしたことからお伊勢参りに出て、道中でいろいろの事件にあったり、恋をしたりと、楽しい作品。
特に巡礼を装う若い娘たちの集団とのだまされ、だましのところは痛快。女三人が江戸を出て伊勢まで道中を共にするという奇想天外な発想が、これまた楽しいロードムービーならぬ、ロードエンタメ小説を作り上げました。
今日はこの辺で。