緊迫の領海問題

日本対中国・韓国・ロシアの領海問題が、ここにきて非常に煩くなってきました。
ロシアのメドベージェフ大統領(首相)の国後島訪問から始まり、韓国李明博大統領の竹島(独島)訪問、香港・台湾人の尖閣魚釣島上陸、日本の地方議員の魚釣島上陸などが、立て続けに発生しました。
かつて戦争の最大の発端は、世界中どこでも領土問題でした。自分の国の中で国民を充分に満足させる(食べさせていける)状態であれば紛争も起きないのですが、それができなくなると、新しい土地や市場を求めて侵略が繰り返される、そうした国同士が競って同じような状態になっていく、それが紛争の最大原因であり、帝国主義が典型でした。
産業革命を最初に成し遂げたイギリスは、その生産力を自国だけでは消化しきれずに、植民地を次々に拡大し、市場を拡大して行きました。後発のドイツなどとぶつかったのが、第一次・第二次世界大戦でした。日本も明治維新後、自国の領土だけではみんなが満足に食べていけない状況となり、朝鮮、中国に侵略して行きました。
さて、現在の状況はどうか。実は戦前と似てきています。極東地域では、今まで日本の経済力が圧倒的でしたが、中国、韓国、台湾の経済力が大きくなり、相対的に日本が小さくなってしまいました。しかも、安い労働力を武器に、高い競争力で攻めてきています。帝国主義時代の市場拡大競争が極東地区で起きています。そこにロシアの資源パワーも重なり、力の均衡が大きく崩れている実態があります。
戦前だったら、今回の島の領有権問題は、すぐにもドンパチが始まってもおかしくない緊張状態です。
さて、それでは日本はどうすべきか?冷静な対応、すなわち、相手の挑発に乗ることなく、ただただ話し合いを求めるしかありません。
過激な行動はかつての戦争に繋がる愚かなことであることを、是非政治家は心得てほしいものです。
今日はこの辺で。