藤沢周平「時雨みち」

藤沢周平の短編小説「時雨みち」読了。
映画化された「山桜」など、味のある作品が10篇収蔵。
その「山桜」はあっけないほど短い短編。それでも主人公の2度離縁した女の後悔や、真の愛する人に出会った嬉しい感情が描かれています。それを1.5時間以上の映画に仕上げた脚本も見事です。要は、短編の優れたドラマ性をいかに長編映画に膨らませるかのお手本のような作品。
表題作「時雨みち」は、過去に捨てた女に、逆に捨てられる成功した男の哀れを描きます。女の意地が強く描かれています。
藤沢の時代小説の真骨頂が描かれていました。
今日はこの辺で。