佐々木譲「廃墟に乞う」、道尾修介「月と蟹」

久しぶりにブログ。何故こんなに書かなくなってしまったのか?最近ニコ動に凝っているせいかも。
本も読んでいないわけではなく、東北旅行時にも読んでいますが、何を読んだか思い出せない状態。なんとも、物忘れが甚だしい昨今です。
タイトルの本を読む前に、藤沢周平の「一茶」を読んだことはまだ記憶にあります。
一茶は江戸時代の代表的な俳人ではありますが、芭蕉や蕪村ほど恵まれた身分ではなく、田舎俳人のイメージがありましたが、藤沢の作り上げた一茶も、恵まれない貧乏俳人そのもの。
実母がなくなった後の継母に苛められ?江戸に奉公に出るが、仕事が長続きせず、俳句で食っていくことに。ただし、俳句で食っていくことは並大抵なことではなく、常にひがみ根性を抱き続ける生活。読んでいて、身がつまされます。結局、親の財産を頼りにして田舎に帰り、年老いて嫁をもらい、子供も出来たものの、その嫁も子供も死んでしまうという悲惨な最後。呼んで晴れ晴れしない小説でありました。
佐々木譲「廃墟に乞う」、道尾修介「月と蟹」とも、直木賞受賞作品。
「廃墟に乞う」は北海道警察を休職中の刑事が主人公で、いくつかの事件に関わって、解決していく短編の連作。佐々木譲は警察小説専門だが、この作品はそれまでの重厚な長編とは一味違う趣。
「月と蟹」は10歳ぐらいの小学生を主人公に、母親と祖父の家族、そして同級生の男女の友だちとの関係を描いた小説。母親が同級生の女友達の父親と関係があることに気づいて、不快感を抱く少年の感性を描いているところが、少年の危なっかしさを出していました。
今日はこの辺で。