百田尚樹「永遠の０」読了。久しぶりに泣かされました。百田という作家の処女作と言うことですが、年齢的には私と同じ位で、放送作家としても活躍した実績があることから、全くの新人ではありませんが、これだけの作品を書き上げるとは！！！東北の列車の旅も読書で短く感じられました。
太平洋戦争で零戦を操った「男たちの物語」？・・ではありません。これは宮部という零戦戦闘機の搭乗員の、極めて崇高な生き方を、戦友たちの話から掘り起こし、反戦と家族愛を歌い上げた賛歌でしょう。
戦場に行く直前に結婚し、一人の娘をもうけた宮部が、生きて帰還するために腕を磨き、最後は身代わりとなって特攻で死んでいく何とも崇高で、切ない物語になっていました。
戦友の中には彼を臆病者呼ばわりする者もいましたが、それは決して臆病なわけではなく、命の大切さをみんなに訴える姿勢だったのです。何人もの戦友が登場しますが、その誰もが天皇陛下のために戦ったのではなく、家族のため、日本のため、そして生きるために戦ったことを語ります。それを教えてくれたのが宮部搭乗員でした。やくざの親分となった戦友が宮部の妻を助け、義理の祖父が宮部の生まれ変わりとして宮部の妻と結婚したことが最後に分かりますが、涙なしでは読めない作品でした。
今日の官僚組織にも繋がる、当時の日本の高級軍人や参謀たちの誤った作戦が如何に多くの犠牲を払ったか？本当の事実を知りたいとも感じました。
今日はこの辺で。
