映画「戦場のレクイエム」

中国の戦争映画「戦場のレクイエム」鑑賞。中国映画というと、最近では三国志を描いた「レッドクリフ」がありますが、「戦場のレクイエム」は秀逸。
レッドクリフ」は、はっきり言って漫画チックな映像が主体であり、話自体も現実味がありませんが、この「戦場のレクイエム」の現実的な迫力には圧倒されます。中国の国共内戦での壮絶な戦闘場面は、それ自体が強い反戦を訴えますが、第九連帯で唯一生き残った連隊長の、その後の生き様にも深い共感を呼びます。47名の連隊の部下全員を失った連隊長が必死で追い続ける部下たちの名誉回復。一人残されたものの悲しみと悔恨がひしひしと伝わってきます。
主役を演じたチャン・ファンユーという役者さんのすばらしい演技には感激。
かつての中国の戦争映画は、中国共産党解放軍を英雄と見立て、日本軍と国民党軍は悪者として、勧善懲悪的な作品がほとんどだったということですが、この作品はそんな視点は全くありません。共産党軍を美化することもありません。ただ、戦争の悲惨さ、個々の軍人の尊さを謳いあげています。
久しぶりに感動した一作でした。
今日はこの辺で。