映画「さらばわが愛 覇王別姫」

中国清朝末期から日中戦争国共内戦文革という激動の社会に生きた京劇俳優二人の人生を描いた香港・中国・台湾合作映画「さらばわが愛 覇王別姫」を下高井戸シネマにて鑑賞。1993年製作で、中国が1989年に発生した天安門事件を経て、改革開放まっしぐらで経済成長に向かう時代だからこそできたチェン・カイコー監督の傑作。

指が6本あったため京劇の劇団に入れな少年は、その指を切断されて劇団に入り厳しい訓練を受ける。美少年ゆえに女形になり、チャン・フォンイー扮する男役とのコンビで、人気役者として成長。しかし、日本軍の北京侵攻や共産党政権の登場など、社会的な試練を受けるとともに、女形役者が男優を愛するという構図があり、男優が結婚することにより、女形役者は絶望の淵へ。更には文革の嵐の中で京劇が攻撃の的になるなど、現代中国の歴史をそのまま背負うような二人を中心に物語が展開。日本兵は勿論悪玉ではあるが、今ほどには悪く描かれていないところがある気がする。

レスリー・チャンの美しい女形の顔を魅力的で、一層この映画を引き立てる効果がありました。

今日はこの辺で。