今野敏「果断」、「任侠学園」

今野敏の「果断 隠蔽捜査2」と「任侠学園」を読む。
今野作品は「隠蔽捜査」をかつて読んだ記憶がありますが、久しぶりの作品。
「果断」は東大出のエリート警察官僚、竜崎伸也が息子の不祥事で左遷されて警視庁大森署の署長に就任早々、強盗事件と人質立てこもり事件が発生。最初はつながりが無い事件が実は繋がっており、更に人質事件と思われたものが実は・・・・・。話の展開が巧みでなかなかの出来。エリート官僚ながら、出世を意識しない(あきらめた?)主人公の、決して英雄にはならない物語が軽めに展開する。ある意味、最も強い人間かも知れません。
「任侠学園」は、潰れかかった高校を建て直すために理事長になったやくざの親分と、その子分たちが、荒れ果てた高校を蘇らせる話。決して世間にあってはならないシチュエーションではありますが、小説では許しましょう。漫画になりそうな題材で、真剣になって読むものではありませんが、やくざ社会のもつ縦の人間関係における「礼儀」と教育とは何かを語りかける真面目さはありました。
今日はこの辺で。