なかにし礼の直木賞受賞作「長崎ぶらぶら節」を読み終えました。長崎ぶらぶら節とは、長崎の古い歌。長崎の芸者「愛八」が恋する学者と一緒に長崎の古い歌を3年かかって拾い集めた中の一つです。
主人公の愛八は幼くして長崎の丸山に売られてきた芸者。本来悲しい生い立ちの話が語られるのですが、この小説ではそんな苦労人生は詳しく描かれず、どちらかと言えば、人気芸者になる愛八の順風満帆な芸者人生となっています。そんな愛八は宵口の金は持たないキップの良い性格。だから余計に苦しい人生模様は語られません。したがって、読んでいて涙ぐむこともありませんし、深く感動する場面もありません。思い雰囲気の小説かなあと思って読み始めましたが、それもありませんでした。
今日はこの辺で。