朝井まかて「先生のお庭番」

朝井まかての庶民時代小説「先生のお庭番」読了。
長崎出島を舞台とした、オランダ人医師シーボルトのお庭番を務める熊吉を主人公に、先生に忠実に仕えるものの、いくつかの疑問を抱えつつ生きる熊吉から見た当時の長崎出島の描写が語られます。
熊吉は15歳の若輩ながら、こっそりとオランダ語を勉強している庭師の小僧さん。しかし、腕は確かで、ひそかに出島に行きたいと思っていた矢先、そのチャンスがやってきます。誰も行きたがらない出島に行くことになり、結局シーボルト先生の直雇となり、その後先生に忠実に仕える役目を負います。
シーボルト先生の本当の真意がつかめないままに終わりますが、当時の時代は意見などが巧みに描かれ、なかなかいい小説でした。
今日はこの辺で。