荻原浩「あの日にドライブ」読了

荻原浩の表題作読了しました。荻原浩は「明日の記憶」で有名な実力作家ですが、私はついこの間職場の同僚が荻原ファンということで今回初めて手にした荻原作品です。「明日の記憶」は図書館の棚に見つからなかったので、後日ということで、先ずは表題作。
主人公は銀行を「辞めさせられた」男で、再就職もママならず、やむを得ずタクシー運転手となっている伸郎。タクシーを運転しながら家族やかつての恋人や銀行の上司にいろいろな思いを馳せるお話。
規制緩和を反映して、今やタクシー運転手はかつての建設業的な人の集積職場となり、平均年収が300万円を切るような厳しい現実があります。しかし、たとえ一流銀行に勤めた経歴はあっても、年齢と資格でふるい落とされ、なかなか就職先が見つからないのが今の日本。主人公も会計士の資格を目指して入るものの、今後目的を遂げられるかどうか?日本の企業社会の厳しい現実がそこにあります。
振り返って自分はどうか。私には何もないのがとりえと言うくらい何もないことに気づきます。
今年はもっと自分を磨かなければ!
今日はこの辺で。