日本人のモラル

今日NHKが日本人のモラルについて行ったアンケート調査結果を、朝のニュースでやっていました。更にクローズアップ現代でもこの問題を取り上げていました。
アンケートで首を傾げたくなる結果が出ていました。日本人のモラルは高いか低いかの質問に対して、低いと回答した人が全体の70%近くいました。それに対して、あなた自身のモラルはどうかと尋ねると、何と70%近くの人が高いと回答したのです。自分自身の集合体である日本人全体では70%が低いと答えているのに対して、自分は70%が高いとは?全くおかしなアンケート結果です。人間の本性として自分や身内に甘いとは言われますが、正に如実に示した例でしょう。Wカップサッカーの日本代表が簡単に予選リーグを突破できると思った日本人の心理によく似た現象です。
確かに町全体を眺めると何とも嘆かわしい光景があり、また嘆かわしい事件も頻繁に起きています。こうした情報、特に暗くて陰惨な事件情報が氾濫していることから、我々の心理としてはモラルの低下を憂えるものとなってしまうのは仕方がないでしょう。更に拍車を欠けるように格差の拡大、不法滞在外国人の増加がモラル低下を思う心理を増幅しています。ただし、本当に昔と比べてモラルが低下したのかどうかは、実際には分かりません。我々は、ただ単に定性的に悪くなったように考えていますが、定量的に証明する根拠は意外に少ないのです。犯罪件数が昔に比べ極端に増えているわけでもなく、喫煙や飲酒のルール違反が増えているわけでもないのです。一ついえることは、昔は大目に見られたことが、今では法律などができ、厳密に罰せられるようなことが増えたと言うことです。かつては路上喫煙はなんとも思われませんでしたが、今では禁止条例までできて、目立つようになったことは確かです。
こうしてみると、一概に昔の方がモラルが高かったという世間の風潮には簡単に乗らないほうがいいのかもしれません。
今日はこの辺で。