精神障害者の犯罪について

川崎市のマンション15階から児童を転落死させたとして逮捕された容疑者。新聞やテレビ報道によれば、非常に愛想の良い人だったとのこと。直近の勤め先はカーテン会社で、一時は月収が100万円もあったとのこと。その後勤務態度に異変があり、辞職を申し出たとのことですが、本人はリストラされたと言っており、この辺はどちらが本当なのかは今のところ分かりません。ただ、その後あまり記事にはなっていませんが、精神科の入院暦があり、通院もしていたとのこと。これを読んだとき、「やっぱりか」と思ったのは私だけでしょうか。
普通の人間であれば、戦争でない限り、何の罪もなく、何の関係もない人間を殺すことなどありえません。しかし、それを行うということは普通ではないということになります。
現在裁判が行われているオウム真理教麻原についても、弁護人は精神鑑定を唯一の武器にしていますし、大阪教育大付属池田小学校事件も、犯人の精神状態が問題になりました。宮崎務事件然りです。そして今回も、裁判になれば間違いなく容疑者の精神鑑定が行われ、責任能力の有無が問われるでしょう。その結果裁判が長期化することが考えられ、その間被害者と加害者の親族が長い間苦しむことになるのです。
精神を病む人については、ある程度隔離もやむなしとして、かなり前にそのような法律を成立させようという動きがありましたが、今ではそういった議論はありません。人権が叫ばれる今日にあっては、勿論そんな法律が出来ることはないでしょうが、いわゆる無差別犯罪が起こるたびに、我々は重い課題を突きつけられているように思います。
つい最近、耐震偽装問題で渦中の姉歯建築士の妻が自殺しました。今回の事件の容疑者にも奥さんと子供がいるとのことです。そしてその家族・親族の方々の苦しみは想像を絶するものでしょう。勿論殺された児童の両親の悲しみと憎しみも言葉に言い表せないものでしょう。
加害者と被害者、加害者の家族と被害者の家族、そこにあるのは厚い大きな壁としか私には言えません。
今日はこの辺で。