格差社会について

今日も寒い中歩くことにしました。と言って、どこを歩くかあてがないので、身近な吉祥寺コースにしました。最近はほとんど玉川上水を歩いているので、久しぶりに神田川コースを選択。下が土じゃないのが玉に傷ですが、慣れ親しんだコースなので良しとしましょう。約1時間半で井の頭公園に到着。今日も天気がいいため、日光を求めて結構たくさんの人が出ていました。公園内でアクセサリーやポストカードなどを売る人が一段と増えたような気がします。そんなお店を冷やかしながら歩いていくと、今日もいましたあの人が。昨年の10月頃にNHKが「日本のこれから」と言う番組で格差社会をとりあげ、その中で下北沢の漫画本朗読人をリポートしていたのですが、その人が今日も井の頭公園にいたのです。番組の後すぐに井の頭公園で見かけましたが、今日も頑張っていました。彼の商売は、お客さんの希望する漫画を手に取り、雰囲気を出して読み上げるというものです。言ってみれば紙芝居を漫画に置き換えて、1人、2人のお客から木戸銭をもらう大道芸です。彼は主に下北沢の路上でこの商売をやっているとのことで、休日や昼間に井の頭公園に来ているようです。彼がこの商売をやりだした経緯や、収入についてNHKはリポートし、本人も番組の討論会場に来ていました。確かにこの商売は日本で彼しかやっていないかもしれませんが、30歳を越えている彼の収入は10万円程度。画面に映し出された彼のアパートの部屋はゴミ箱のようでした。一番深刻なのは、将来への夢がないように感じられたことです。最近テレビで貧乏暮らしを面白おかしくリポートするバラエティー番組がありますが、この番組に出てくる人の多くは芸人の卵とか、自ら田舎暮らしを求めたとかが多いですが、将来何の夢や展望もなくフリーターやニートとして暮らす若い人たちの増加は、最も深刻な社会問題です。私は前回この漫画朗読人の演技を聞いたあと、お金を置いて「頑張れよ」と声をかけましたが、今日はそっと通り過ぎました。勿論彼のこの経験が彼の将来を明るいものにする可能性は否定できませんが、できるならもう彼の同じ姿は見たくない。彼が本当の意味で自立した姿を見たいと思います。
勿論、自分で稼いで誰の世話にもならずに生きている彼を否定するものでは決してないことだけは付け加えておきます。
今日はこの辺で。