産業遺産情報センター見学記

明治日本の産業革命遺産」が世界遺産に登録される際に、韓国から軍艦島などで朝鮮半島から強制連行された朝鮮人が過酷な労働や扱いを受けたこと歴史があり、世界遺産登録にふさわしくないとの韓国からのクレームが出た。日本政府は、そういった歴史も知らしめることを条件に登録ができた経緯がある。その知らしめる手段としてできたのが、「産業遺産情報センター」である。しかし、この度ユネスコが、情報センターでの展示内容が不十分との決議を採択し、展示の充実を求められることになったとの報道があり、実態を知るべく、展示内容を確認するため、2021.09.07(火)に見学に行ってきました。

ネットで検索して、現在コロナ禍のため予約のみということで早速予約し、空き時間帯の15:00に予約を取り出かける。場所は大江戸線若松河田駅から徒歩5分ほどの非常に目立たない総務省の建物内。私は新宿から大久保通りを歩いて行ったのですが、通りから少し離れた場所ながら、案内看板もなし。以下にもあまり公開したくないような雰囲気を感じます。予定より30分ほど到着したのですが、当初は見学者ゼロ。一日何人来るのか?

は聞きませんでしたが、休日はもっと多いのかもしれませんが。

明治日本の産業遺産として登録されているのは軍艦島ばかりではなく、全国各地の、主に重工業関連施設。映像は結構充実していて、造船・鉄・石炭関連施設が中心。100年近く前の施設で、現在も稼働しているところがあるのには驚きでした。基本的には、如何に日本の産業革命が先人の努力によってなされていったか、如何に素晴らしい施設ができたかを紹介している内容。勿論、だからこそ世界遺産になるのでしょうが。

さて、肝心の軍艦島での強制連行朝鮮人の方に関する情報ですが、軍艦島では差別的な扱いは受けたことがないという経験者たちの証言ばかりが並んでいました。これをどう評価すべきか?情報センターは東京に一か所あるだけで、しかも地味な場所で、あまり公開したくないようなたたずまいでひっそりと設置されている印象から、バツイメージもある反面、実際に差別的な処遇があったのか否かは、展示内容からは計り知れません。

今後日本政府も、展示について工夫すると言っていますが、どんな展示内容にするのか、長崎あたりにも展示館をつくるのか?軍艦島で徴用工への差別がなかったと主張している今の日本政府のスタンスでは、多くは期待できないかもしれません。

今日はこの辺で。