映画「親愛なる君へ」

台湾映画「親愛なる君へ」を新宿シネマートにて鑑賞。ゲイの主人公が、今は亡きかつてのパートナーだった男性の実家に住み着き、年老いた母親と息子の面倒を見る中で、いらぬ疑いをかけられながらも、何とか息子と母親を守ろうとする姿を描く。パートナーの死の真相がラスト近くで描写され、パートナーが離婚する経緯も描かれるため、主人公の男性の評価は分かれるところでしょうが、真摯に尽くす姿から、ゲイの社会の深い愛が感じられる。最近は世界中でLGBT映画が花盛りですが、パートナーが亡くなってしまった後のシチュエーションは珍しい。LGBTへの偏見は、やはり世界的にはまだまだ多く残り、特に自分の身近にそうした人が現れると、偏見は特に深刻となる。この映画の場合は、主人公が亡くなったパートナーの9歳の息子の養父となるのですが、叔父が現れ偏見を露わにする。確かにこの息子に対しての養父としての愛情は理解できるが、ゲイと一緒に暮らすことで、その息子までがゲイの世界に行ってしまうのではないかという危険性を感じることも理解はできる。そこに偏見があることを我々は認識しなければならない。LGBTは決してノーマルな人を相手にすることはないことを知らしめなければならない。

亡きパートナーの母親の死への疑惑についてのサスペンス要素も含み、飽きずに鑑賞できる良作でありました。

今日はこの辺で。