映画「ヒトラーに盗られたうさぎ」「夏時間」

ギンレイホールでの映画鑑賞は、今までは土日に限られていたのですが、7月からサンデー毎日の身になったので、ウィークデーの8月3日(火)に鑑賞。

ヒトラーに盗られたうさぎ」は、ユダヤ人絵本作家、ジュディス・カーの自伝的小説を映画化したもの。いわゆるホロコーストものではあるが、時代は1933年のナチスが選挙に勝って政権をとる時期。ベルリンに住むユダヤ人の演劇批評家の一家は、ヒトラー政権の危うさを察してスイスに亡命。その後パリ、ロンドンと亡命先を変える。その間の、迫りくるホロコーストの雰囲気を若干醸し出して描かれる。この一家に関しては、早めにドイツから逃げ、パリからも逃げてロンドンにわたるため、悲惨な収容所送りは免れる幸運。したがって、いわゆるホロコーストの悲惨な場面はなく、どちらかと言えば当時の成功体験と言ってもいいかもしれない。ホロコースト映画を期待する人には不向きかもしれない。

韓国映画「夏時間」は、病気がちの祖父の家に同居することになった一家の生活を淡々と描く人間ドラマ。大きな盛り上がりがあるわけではないのですが、それでも見る者の心を引き続ける不思議な魅力がある映画。離婚した両親の父親の実家に住む兄弟。誰が主役ということも難しいえいがで、その淡々さは小津安二郎映画を彷彿とさせる雰囲気を持つ。祖父は亡くなってしまうのであるが、祖父への思いが切なく描写されるところが、本作のハイライトなのですが、それも淡々と描かれ、余韻を残しました。

今日はこの辺で。