映画「ナチュラルウーマン」、「シェイプ・オブ・ウォーター」

長い夏休みの初日、8月11日(土)はギンレイホールにて映画二題鑑賞。
直近では自民党の女性バカ議員が「LGBTは生産性がないので、政策に税金を使うのはおかしい」との雑誌論文があり、批判を浴びています。では生産性とは何でしょうか?認知症になったご老人、障害を持つ方など、税金を払うのではなく、使う方が多い方は全て生産性がないという、極めて危険な優性思想に結び付きかねない大きな問題です。国会議員が、「言論の自由」を訴える問題でも何でもありません。二階幹事長は「そういう意見があってもいい」というような発言をしたそうですが、これもまた問題。本来であれば議員辞職になってもおかしくない発言にも、非常に無頓着な今の自民党。それでも政権の支持率が下がらない不思議。暗澹たる気持ちになります。
さて、そんなLGBTを扱った作品が「ナチュラルウーマン」。チリのセバスチャン・レリオ監督がアカデミー賞外国語映画賞を受賞したこの作品は、トランスジェンダーの苦悩を描いた、胸を占め浸かれるような作品。正に迫害のど真ん中に生きる苦痛を感じる作品でした。主演が自身もトランスジェンダーのシンガーであるダニエラ・ベガ。自然な演技で胸を締め付けられました。
シェイプ・オブ・ウォーター」は、ベネチア映画祭の金獅子賞に輝いた作品。米ソ冷戦下のアメリカのとある軍事機関で働く声を出せない女性が、軍事目的で機関に飼われている水の中で暮らす異種生物に恋心を抱き、人間に始末されそうなところを逃がして救うというストーリー。この映画でも、口のきけない主人公の女性、黒人の同僚女性、ゲイの画家、そしてグロテスクな異種生物など弱者が、強者である警備責任者に対峙するというシチュエーションは、ナチュラルウーマンと同じくダイバーシティには程遠い社会を批判しているように感じました。
今日はこの辺で。