中山七里「連続殺人鬼カエル男」

中山七里のサイコミステリー「連続殺人鬼カエル男」読了。中山作品は本年2作目で、本作は、「このミス」で異例の2作候補作となった作品で、大賞は「さよならドビュッシュー」を獲得、しかし、本作も高い評価を得た作品とのことで、文庫化された作品。

実名で飯能市が出てきますが、横山作品のように「D県」のような表現よりは、より現実感があっていいことをまず申し上げます。飯能市民がパニックに陥って、警察署に抗議に押しかけ、署内に侵入する描写は、トランプの呼びかけでアメリカ連邦議事堂内に侵入し、狼藉を働く場面を重ねてしまいました。飯能市民はもちろんもっと冷静な市民でしょうが、ここはお話であるのでお許しを。

変質者によると思われる殺人事件が連続して発生し、現場には「カエル」を捕まえた旨のメモが残される。被害者の関係性は皆無で、順番がアイウエオ順だとの推測だけわかる。「エ」までの4件が実行されてから、刑事が犯人と対決する場面がやってくるのですが、最後の最後まで真犯人がどんでん返しの繰り返しで変わっていくのは、正にサイコミステリー。二重人格犯罪が主題となっているが、殺人の態様のむごたらしさが、大きな印象を与える作品でありました。

今日はこの辺で。