中山七里「嗤う淑女」

中山先生の悪女もの小説「嗤う淑女」読了。悪女ものの小説と言えば、有吉佐和子の「悪女について」が最も面白かったのを覚えていますが、今世間的にはアニメで悪女が花盛りのようです。アニメには興味がないため読んだことはありませんが、大体が魅力的な容姿と頭脳で男を翻弄するのがパターン。そんな分野にも、中山先生は入り込んで、エンタメ小説を書きあげていました。

主人公は蒲生美知留という美貌の女性の少女時代から成人してからのコンサルタントとしての仕事の中での美貌と頭脳で心理的詐欺行為を描く。

14歳の少女時代には、性的DVまで行う父親を亡き者にし、成人してからも巧みな話術と美貌で男女問わず騙してしまう魅力的な女性。自分で手を下すことなく心理的に信じ込ませる結果、殺人が起きてしまうことで罪が問えるのか、という警察の逡巡もうなづけるところ。

圧巻は最後のどんでん返し。どんでん返しの中山七里の面目躍如を味わえる作品でした。

それにしてもこうした完全な美貌を持つ女性に出会ってみたいものです、

今日はこの辺で。