映画「その手に触れるまで」

ベルギー・フランス合作で、ダルデンヌ兄弟監督作品「その手に触れるまで」を新宿武蔵野館で6月20日(土)鑑賞。ダルデンヌ兄弟カンヌ映画祭の常連で、過去の2度パルムドールを獲得しているが、私は「サンドラの週末」と「午後8時の訪問者」を鑑賞したことがあります。いずれの作品も、身近な話題を映画でしたが、それほどの名監督とは感じないのですが、カンヌでは不思議に評価が高い監督。

「その手に触れるまで」は、ベルギーのアラブ人社会におけるムスリムへの向き合い方を問うている作品。

13歳の少年が、原理主義的な宗教者に出会い、その影響でムスリムの経典コーランに夢中になり、学校の女性教師との握手まで拒否するように染まっていく。その結果、その教師への傷害事件を起こし矯正施設へ収容される。その施設でも原理主義的考えが強制されることがないまま事件がまた発生するという筋書き。

数年前、フランスとベルギーで同時多発テロが発生したが、その犯人もまたイスラム原理主義の青年たちであり、ヨーロッパのイスラム社会の抱える問題を浮き彫りにした作品であり、こうした少年・青年が氷山の一角である可能性があるのは、ヨーロッパのリスクそのものかもしれません。

今日はこの辺で。