netflix ドキュメンタリー「メディアと裁判 41発の銃弾」

前回書いたロサンゼルス暴動のきっかけも、白人警官による黒人への発砲・死亡事件の裁判が意外にも無罪となったことで、アメリカ史上最大の暴動がおこったのですが、このドキュメンタリーも同種のもの。

1999年のニューヨークは、ジュリアーノ市長(現材トランプ政権の弁護士)時代で、犯罪を抑えるべく、警察権力を増強させていた時代。アフリカ・ギニア出身の22歳の青年、アマドゥ・ディアロ氏が、自宅玄関で4年の警官から41発の銃弾を浴びせられ死亡する事件が発生。アマドゥ氏がポケットから財布を出したのを拳銃と見間違えて一人の警官が発砲、続いてほかの3人も銃弾を浴びせ、トータル41発が発射されてアンドゥ氏は即死。丸腰の人間を41発もの銃弾で射殺したとの非難が上がり、4人の警官は殺人罪で起訴される。メディアはこの事件を大々的に報じ、黒人を中心とした反差別主義の抗議が活発に行われる中、公正な裁判ができないことを理由に、ロサンゼルス事件と同様、殺人があった地区から遠く離れた場所での裁判となり、結果は全員無罪。全く信じられない陪審員判決。アメリカ社会の暗部をまたも見せつけられる事件でした。

この事件後、警察官の暴力問題や差別問題が顕在化し、多くの論争が起きたのことですが、ロサンゼルスのような暴動にはなりませんでした。

それにしても、なぜ41発の銃弾が発射されたのか?そこには「射撃の伝染性」があると指摘されています。すなわち、1人が発砲すると、周りに伝染・誘導され他の人も射撃する現象とのことですが、これは戦争ではあり得ますが、相手が一人の人間に対しても起こりえるのか?少なくとも黒人への差別感情があることのなせる業でしょう。

殺されたアマドゥ氏の両親はニューヨーク市に対して訴訟を起こし、300万ドルで和解し、その資金をもとに同様の被害者支援を行っているとのこと。アマドゥ氏へのせめてもの慰めになればよいのですが。

今日はこの辺で。