映画「パラサイト 半地下の家族」「無垢なる証人」

韓国映画二題を2月2日鑑賞。

ポン・ジュノ監督、ソン・ガンホ主演の「パラサイト」はカンヌ映画祭グランプリ受賞し、評価の高い作品。やっと新宿TOHOにて鑑賞。4人の誰も定職についておらず、半地下の住宅に住む家族。しかしながら、4人ともみんな楽観的で、悲壮な家族ではない。しかし、住宅事情は見るからに貧相。そんな家族のうち、息子が友人から大邸宅に住む富豪の娘の家庭教師を頼まれ、運良く採用されたことから物語が始まる。結局4人とも家族であることを隠してその富豪に雇われることになり、生活環境のあまりにも違うことを認識していき、その後はあるトラブルをきっかけに物語が展開していくことになる。

格差社会を扱っているということは間違いありませんが、格差に対する理不尽さを扱っているとは感じないのですが、生活で染みついた臭いに反応した邸宅の主人に向けて刃を向けるところにすべてが凝縮されているような感じがしました。

それにしても、ポン・ジュノ監督の才能には感服した次第です。

もう一本はシネマート新宿にて鑑賞した「無垢なる証人」。全くノーマークの作品でしたが、レビューが非常に高かったことから鑑賞。パラサイドほどの派手さはないですが、静かな感動を呼ぶ作品。殺人事件を目撃した自閉症の15歳の少女の証言で中年女性が逮捕される。この弁護を引き受けたのが主人公の中年弁護士。もともとが人権は弁護士ながら、父親の借金返済などもあり、大きな法律事務所に入り、企業弁護などを最近は手掛けている。そんな中、この殺人事件の担当となり、自閉症の少女の話を聞くべく近づいていき親しくなる。でも本番の裁判では、犯人とされた家政婦の中年女性の言葉を信じ弁護は成功。しかし控訴審ではあることに気付く。

自閉症を演じた少女の演技が可憐で印象に残りましたが、最後の裁判の場面は、「女神の見えざる手」には及ばないものの、なかなかのどんでん返しでありました。

今日はこの辺で。