映画「ヤクザと家族 THE FAMILY」

2月6日(土)、TOHOシネマ新宿にて、日本映画「ヤクザと家族 THE FAMILY」鑑賞。「新聞記者」を撮った藤井道人監督のオリジナル脚本で、暴対法施行以降のヤクザ社会の現実を映し出す。Yahooレビューが4.5近い作品ですが、その評価に劣らない、救いはないものの、素晴らしい作品でした。

主人公を演じるのは、こういった作品にうってつけの綾野剛。父親も暴力団であったが、殺され、自分は決して暴力団には入らないつもりながら、チンピラ生活している主人公が、暴力団に絡まれ瀕死の状態から、舘ひろし演じる暴力団の組長に「家族」的な愛を感じて組に入る。数年たち、幹部的存在になったものの、自分の子分が殺されたことからその仇を打ちに乗り組むのだが、兄貴分がナイフで仇を刺し殺す。その身代わりを買って14年の刑を受けるまでが前半。出所したときには暴対条例が施行された後で、ヤクザが生きにくい時代に入っており、かつての組員は脱退して残るは数人。組長も病で入院。組長から足を洗えと言われかつての後輩の勤める産廃会社で働くことになるが、その後輩と写った写真がSNSでばらまかれてしまったことから、すべてが得悪い方向へと進んでしまう。あなたが現れなかったら、先輩が現れなかったら、そして自分が現れなかったら。

暴力団が指弾されて当たり前ではあるが、足を洗っても世間は許してくれない現実がのしかかり、救いのないラストである。

貧困や差別から、行き場所のない人間がヤクザ社会に迎え入れられるケースが多いとのことで、必要悪ともいわれる暴力団であるが、彼らへの偏見は、組を抜けても一生残ることを身に染みて感じる作品だった。

それにしても、綾野剛の演技は見事の一言。間違いなく代表作呂なるでしょうが、ヤクザが主人公であることから、映画賞レースに勝ち残るか否か。ここでも暴対条例が関係するかもしれない。

今日はこの辺で。