中山七里「スタート」

中山七里先生が映画製作現場を舞台にしたミステリー小説「スタート」読了。日本映画界のカリスマ監督、大森宗俊が病魔を押して映画を作ることになり、大森家族を集める。しかし、今回はテレビ局が幹事社となる製作委員会方式の映画。早速、テレビ局の看板女優を無理押しで使うようにしたり、チーフ助監督に磁極のディレクターを押し込むなど、大森一家にはやりにくい現場。そんな現場で、関係者が仕掛けたであろう2件n事件が発生、テレビ局プロデューサーと女優がけがをし、最後にはチーフ助監督が殺害される事件まで発生。

ただし、本作は事件のミステリー小説というよりも、映画製作を中心とした話。主人公はセカンド助監督である宮藤映一。彼から見た大森監督の映画作りのすごさや、彼に魅せられて映画作りをするスタッフたちの物語。

中山七里作品はいくつか映画化やドラマ化され、ご本人も映画が好きであることが、本作を読んでいると強く感じます。ミステリーとして読むよりも、あくまでミステリーは刺身のつまとして読んだ方が面白い作品でした。

今日はこの辺で。