池井戸潤「下町ロケット ヤタガラス」

池井戸潤下町ロケットシリーズ「ヤタガラス」読了。TBSテレビでドラマを見た小説なので、ストーリーが頭にあることもあり、スイスイと読める作品。尤も、池井戸作品はどの作品も読みやすいのですが。
しかし、池井戸作品はドラマ性があるというか、ほとんどドラマのシナリオが小説と一緒。違うのは、殿村さんの実家が新潟から栃木になっていることぐらい。小説のセリフもそのままドラマのセリフになっている感じで、脚本家は楽かもしれません。
今回の佃製作所の開発マシーンは、自動運転の農業トラクターのトランスミッション。帝国重工の財前部長さんと佃製作所が組むのですが、いつもと同じように帝国重工内のお偉方の悪役さんが出てきて、佃製作所を排除します。一方、下町の中小企業が集まって、同じ自動運転農機の製作を競い合い、最後はモノづくりに秀でた佃製作所が復活し、大勝利。
勧善懲悪の時代劇的ストーリーがここでも展開され、善悪入り混じってのお話が読者を引っ張り込み、うならせることになります。
今日はこの辺で。