映画「英国総督最後の家」、「スターリンの葬送狂騒曲」

新宿武蔵野館にて映画二題鑑賞(14日と17日)。いずれも世界史的な興味を引く映画。
「英国総督最後の家」は、1947年、インドがイギリスから独立する直前に、イギリスの総督として独立前の最後の総督としてインドに赴任したマウントバッテン卿とその家族が直面した独立前の混乱を描きます。この独立に際して、マウントバッテン卿が特別な力を発揮したという話ではないのですが、当時のヒンズー教派とイスラム教派の対立があり、止む無くインドとパキスタンの分離独立になった経緯が描かれます。かつてパキスタンが東西に分かれており、バングラデシュパキスタンであったという事実も忘れられるようになりましたが、東西分割になった経緯もうかがい知ることができました。また、大量の難民が発生し、莫大な犠牲者も出たという歴史的事実も初めて知った次第。ガンジーやネール、それにイスラム系指導者のジンナーなども登場し、歴史を学ぶいい機会になりました。
スターリン葬送狂騒曲」も、絶対的な独裁者であったスターリン死後の混乱をコメディタッチで描きながらもおそらく歴史的には事実に近いであろうというストーリーで描かれているようなので、歴史を学ぶいい機会を提供してくれています。
スターリンの死は突然で、後継者の氏名もなかったと思われることから、次の指導者がどのように決まったかは非常に興味のあるところ。そんな中で、一応のナンバー2だったマレンコフは決断力がなく、結局フルシチョフが実権を握るのですが、その過程がどんなものだったのか、この映画にあるように、巧みにべりヤを追い込み処刑し、マレンコフなどを退けていったのかの歴史的事実ははっきり言って良く分かりませんが、いずれにせよ、フルシチョフによってスターリン批判が行われたことは事実。
権力闘争の闇には興味が尽きません。そういった意味でも非常に興味ある作品ではありました。
今日はこの辺で。