映画「MASTER」、「密偵」

本日は韓国映画二題、「MASTER」と「密偵」を鑑賞。いずれも骨のあるサスペンスで韓国映画の実力をいかんなく発揮していました。
「MASTER」は、アイリスでおなじみのイ・ミョンボンがマルチ商法で投資家をだます悪役を演じ、それを追跡する警察との真剣勝負を描きます。こうしたマルチ商法ねずみ講のような詐欺まがいの商法はどこにもあり、騙される人が五万といることが象徴的に描かれますが、それでも正義の味方が現れ、投資した全額が投資家に返されるというラストはちょっといただけませんが、一応ハッピーエンドということで許しましょう。それにしても、最近韓国映画では見かけなかったイ・ミョンボンが悪役で嫌味たらしい役を映じるとは見事なもの。存在感は抜群でした。詐欺グループの中年女性役と、女性刑事役の2名の女優が脇を固めていましたが、いずれもベテランながら魅力的な役者さんでした。
新宿TOHOで「MASTER」を観た後、シネマート新宿で「密偵」鑑賞。こちらの映画にもイ・ミョンボンが出演していましたが、客演程度の役。
時代は1920年代の日本統治時代の韓国。日本からの独立を目指す組織「義烈団」と、それを助ける日本警察の韓国人警務官の話。警務官にソン・ガンホが演じ、義烈団のリーダーをコン・ユが演じて、サスペンフルなドラマを展開。もちろん日本人は悪役であり、日本人俳優の鶴見慎吾が嫌味たっぷりの役を演じています。ソン・ガンホが命令されて女性の義烈団メンバーの顔に熱したコテを押し付ける苦渋の表情は何ともやりきれない。
この映画で描かれる日本人はひたすら統治者として無慈悲に韓国を支配する姿。しかしながら、観客としては、義烈団の姿に感銘を受けてしまいます。こんな日本人は失格?
韓国映画好きには見ごたえ十分な映画鑑賞となりました。
今日はこの辺で。