フレキシキュリティという雇用制度

昨年11月から、余暇時間を有効利用しようと思い立ち、大学の公開講座に参加しています。
インターネットは、こういったとき極めて便利なツールで、無料講座がいくつか見つかり、土曜日や夜間の講義に参加しています。
まずお勧めは、拓殖大学の国際講座。一講座1,000円かかりますが、時宜を得た内容で、たくさんの受講者が毎回出席しています。指導者が相次いで交代した中国、韓国、アメリカと日本の関係など、興味深い講義を聴くことができました。参加者はほとんどが会社を退職した感のある高齢者。皆さんこうやって時間を使っているのかと、参考になります。
そのほか、帝京大学八王子キャンパスの講座。模擬裁判の講座には参加したのですが、最も聞きたかった「日本国債問題」は参加できず。今でも悔やまれます。
更には金曜夜の専修大学大学院の講座。震災復興関連のいくつかの講座を受講しました。
そして最近ハマっているのが立教大学の講演・講座。たまたまキャンパスを通りかかり、中に入ったところ、立花隆氏の無料講演があるということを学内看板で知り聴講。速めだったので楽に席に座れましたが、開演近くなると聴講者が続々。大きな教室が超満員となる盛況。それも学生ではなく高齢者中心。立花氏クラスになると、助手を連れての講演で、興味深い話を聴けました。これからは立教大学にはまりそうです。
その立教大学での講演、「デンマークにおけるフレキシキュリティ」。北欧諸国と言うと高福祉を連想しますが、雇用法制には2種類あります。ひとつは解雇規制が厳しいドイツ、フランス型。そして以外にも解雇規制が緩いオランダ、デンマーク
デンマークでは経営者が労働者を解雇する規制が緩いのですが、驚いたことに失業保険が数年前まで最長7年間も支給されていた事実がありました。グローバル化によって今では支給期間が3年程度に短縮されていますが、7年間も支給されていたら、働く意欲もなくなるのでは?と考えてしまいます。フレキシキュリティとは、フレキシブルとセキュリティの合成語。オランダが先進国だそうですが、こうした社会でも高所得を維持している北欧という国々に感嘆します。
講師は立教大の教授で、デンマークに留学して労働制度を勉強している方。フレキシキュリティが日本社会に適しているのか否かをはっきり言わなかったのですが、グローバル化に晒されている今の世界中のどの国も、雇用に関しては難しい課題を抱えていることを改めて実感しました。
今日はこの辺で。