初めてのペイオフ

日本振興銀行が経営破綻し、制度制定後初めてのペイオフが実施された。あれだけ役員が逮捕され、債務もかなりありそうで、提携先を探っていたとの報道があったため、預金の払い出しが殺到していたらしいが、それでも1,000万円以上の預金額が110億円に達している模様。今まで全額保護されていたため、大丈夫だと過信していたのか?ペイオフで払い戻しできない人には、誠に気の毒であります。しかしながら、少しでも金利の高い所に預けていた預金者のリスクでもあり、今回は教訓として止むを得ない荒療治。
それにしても、小泉-竹中ラインで不良債権問題の早期処理をうたい、政権のブレーンでもあった木村剛氏の経営意図はどこにあったのか?不思議なのは、彼が社長に就いたのが2005.1月、そして同年6月には会長になっており、社長在任期間が極めて短いこと。社長交代に何か事情があったのか?
結局中小企業への貸付だけでは利益が上げられず、商工ローン関係への貸付を増やし、金融庁検査への妨害工作も明らかとなり、木村氏他役員の逮捕、作家江上剛への社長交代を経て経営破たんとなりました。
ともあれ、銀行経営、とりわけ新規に開業した銀行の経営の難しさは、新銀行東京の経営がうまくいっていないように、明確に証明されたのではないか。信用が全ての商売、その信用を作り出すことが如何に難しいかが察せられます。それと同時に、大銀行さえつぶれる時代、中小企業金融中心に経営が成り立っていくという甘い見通しにも、素人ながら首を傾げざるを得ない日本振興銀行の破綻劇でした。
今日はこの辺で。