最近の読書から

先週からの読書暦から。
有栖川有栖「火村英生に捧げる犯罪」。表題作ほか7編の短篇推理。有栖川作品を読むのは初めて。
名探偵火村准教授と、作家有栖川がそのまま出てくる作品。有栖川は火村の引き立て役に徹していますが、有栖川も大胆な人物構成を考えたものです。
最近よく読みだした小路幸也「カレンダーボーイ」。タイムカプセルものですが、かつての幼馴染で、現代でも同じ大学の教授と事務長になっている二人、三都と安西が2006年と1968年を行ったりきたりします。こうしたタイムカプセルものは、どうしても歴史の矛盾が出てくるため無理があります。したがって、読む場合はそんなことはあまり気にしないのが肝心。1968年の3億円事件を絡ませていますが、これもご愛嬌でしょう。でも、決してつまらない作品ではなく、それなりに楽しめる作品でした。
同じく小路幸也スタンド・バイ・ミー」。おなじみ東京バンドワゴンの続編。古本屋とカフェを営む、飛び切り愉快な堀田家の大家族をユーモラスに描きます。この小説にも悪人が出てきません。ほんとに人間味のある大家族。特に女性人の藍子さん、亜美さん、すずみさんの三人がみんな美人で、性格がよくて、最高に羨ましい家族に思えてきました。幸せに触れてみたい方は是非一読をお薦めします。
今日はこの辺で。