重松清「少しだけ欠けた月 季節風秋」

重松清の短篇「少しだけ欠けた月 季節風秋」読了。このシリーズは春から始まり、既に冬まで出版されていますが、私は春に続いて二冊目。
重松作品としてはいまいちインパクトがないような感じ。その中で最も印象に残ったのが「ウィンニングボール」。フリーターの青年が草野球チームに入り、サードを守りますかエラーばかり。その試合を見ていた小学生がきつい野次を飛ばします。でも、その少年が重い病気にかかっており、手術まじかの身体と知り、チーム全体が試合に真剣に取り組み、フリーターの青年も正社員の道を考えていくというストーリー。他の作品もいいところはありましたが、何故かこの短篇だけが心に残りました。
今週はもう一冊、新堂冬樹の「枕女優」も読みましたが、久しぶりの駄作との遭遇。女優を志し、女の身体を武器に売れっ子になるものの、結局自分を失うという話。途中にわけの分からない女たちの話が挿入され、何を言いたいのかが分からずじまい。幸い短かったので時間をとることがなかったですが、こんな小説は単行本の価値があるのか?と思ってしまいました。
教はこの辺で。