竹中平蔵「構造改革の真実」

竹中平蔵構造改革の真実-大臣日誌」を読み終えました。日誌と言うだけあって、詳細な日付や実名もふんだんにあり、極めて真実味のある内容となっています。かなり辛らつに批判している政治家もいることから、作り話は一つもないと思われます。
読んでの感想は、竹中平蔵小泉内閣そのもの、小泉構造改革そのものの感を受けます。私も当時の報道で竹中バッシングがあったことは覚えていますが、現場では相当の圧力、バッシングがあったことが容易に想像できます。にもかかわらず小泉総理が在任中ずーっと閣僚に起用したのは、竹中以外に小泉改革を成し遂げる人物はいないと、確信していたからだと、今になって納得します。
不良債権処理問題と郵政民営化問題。小泉内閣の最大の課題はこの二つでした。そしてこの二つとも竹中が主役となり成し遂げたことは紛れも無い事実。バッシングの中でよくこれを成し遂げたものですが、竹中の打たれ強さ、したたかさは大変なものです。
本の中で実名で出てくる政治家は二分されます。改革派の小泉総理、武部幹事長中川秀直政調会長。そして改革阻止派=官僚よりの麻生太郎与謝野馨。福田総理も当時の官房長官として名前が度々出てきますが、あくまで調整的な役回りでどっちよりなのかが不明の記述。竹中さんはどう思っているのやら。
小泉政権の5年半、その評価はこれからさらに5年10年しないとはっきりしませんが、もし高い評価をされるとしたら、竹中平蔵という民間人を辛抱強く閣僚として起用したことに尽きるのではないか、と思わせる大臣日誌でした。
今日はこの辺で。